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『ゲストハウス2.0』宿泊施設に必要なイノベーションとその方向性

海外旅行専門の営業・企画・添乗をしてきたおかげで、世界中の様々なホテルに泊まってきました。

そしてその経験を通して感じたのは、今現在のホテルやゲストハウスはアナログな世界のままで今の技術革新が日々起こり続けている社会・時代に取り残されていることです。

OTAの登場によって、スマートになりつつあるように見えますが、それはあくまでも予約経路が変わっただけの話。またairbnbやcouchsurfingなどの登場によって宿泊施設の裾野を広げたように見えますが、それもあくまでも多様性が増えただけ。

ホテルやゲストハウスのあり方を変えたかというと決してそうではありません。

今回の記事を通して、ホテルやゲストハウスの現状を考察し、どういう方向に進んでいくべきなのか、そしてそれに必要なイノベーションとは何かを考えていきます。

注意
ホテルやゲストハウスと書くと長くなるので、今後ゲストハウスに統一します。

技術の捉え方やあり方について

これから様々な技術などについて語っていきますが、まず前提として定義したいのは技術というものの捉え方やあり方についてです。

言うまでもありませんが、宿泊業というものは宿泊者(顧客)で成り立っています。技術を導入するにあたって、その技術が顧客満足度をあげるかどうかが最も重要です。

例えば人件費を抑えることができる。運営の手間が抑えられる。そういった運営者からの利点も重要ですが、必ず忘れてはいけないのは顧客目線です。

その前提のもとで、ゲストハウスのイノベーションについて考えていきたいと思います。

既存ゲストハウスのアナログなところ

今のゲストハウスのどんなところがアナログなのか語り始めると1万字じゃ収まらないので、わかりやすい代表例3つをあげます。

チェックイン手続きって必要?

ゲストハウスに到着して、まず行うのがチェックイン手続きです。フロントに来てもらい、パスポートを控え、支払い方法などの確認。ハウスルールを伝え、顧客を部屋へ案内します。

人の時間を強制的に奪うシステムです。

高級ホテルがなぜ部屋チェックインをサービスとして提供するのか。それは高級ホテルに泊まる層が、フロント手続きを嫌がるからです。その点は日本の旅館の方が世界に先んじていますね。

そんなものをなぜ人に強制させるのか。それがゲストハウス側にとって楽だからです。

コミュニケーションがインタラクティブじゃない。

5つ星ホテルでもゲストハウスでも共通しているのはコミュニケーションが相互方向ではないことです。

例えば、ゲストハウスの周辺のオススメレストランを知りたいと思った時に、お客さんから行動をしてもらう(電話をする、フロントまで来てもらう、相談してもらう、声をかけてもらう)必要があります。それってゲストハウス側の怠慢だし、上から目線だと私は思います。

来てもらった顧客に対して、その地を楽しんでもらおう!という気概がないゲストハウスは、存在価値がないと思います。ホテルというのはただの宿泊施設というだけでなく、その土地の水先案内人であるべきなのです。

ホテル内の支払いってまだ紙にサインしないといけないの?

ホテルの中のレストランで食事するとレシートにサインをしないといけません。あれはホテルのリスクヘッジとして重要な要因です。

チェックアウト時に『こんな会計は知らない』とお客さんが言っても『ちゃんとサインしてますよね?』ということで支払いの未収金を防ぐ役目があります。

しかし、紙って…。ボールペンって…。署名って…。もういい時代ですよ。新しくしてもいいんじゃないですかね?

固定概念からの脱却

新たなゲストハウス(ゲストハウス2.0)を考えるときに重要なのが、固定観念からの脱することです。既存のやり方が本当に正しいのか、他のやり方はないのか。改めて考えてみたいと思います。

チェックインについて

チェックイン手続きを簡素化し、各客室でチェックイン手続きをできるようにすればフロントデスクというものすら不要になります。

チェックインの時間も固定観念に縛られています。チェックアウトが何時まで。その後清掃入るからチェックインは何時から。というのもゲストハウス側の事情に過ぎません。

あらかじめ、顧客と十分なコミュニケーションが取れていれば、チェックイン時間やチェックアウト時間をよりフレキシブルに対応できるようになります。

コミュニケーションとサービスについて

ゲストハウスと顧客のコミュニケーションは相互方向的になるべきだと思います。そして、ゲストハウスという施設の性格から考えると、顧客同士のコミュニケーションも重要になります。

lineやWhatsAppなどのコミュニケーションツールを使うのか、専用アプリを作るのか、もしくはそれ以外の手段を使うのか、アプローチの仕方は様々だと思います。

手段はどうあれ、コミュニケーションの形は変えるべきであることは間違いありません。

周辺の観光情報やイベントを発信するだけでは、双方向とはいえません。情報の受け取り手である顧客側からも参加してもらう必要があります。例えば、空港まで行くタクシーをシェアする人を募集したり、一緒に観光へ行ったり、食事をしたりする人を募集してもらったりです。

また場としてのコミュニティースペースを作るだけではなく、相互的なコミュニケーションを通じてさらに広いアプローチも可能になります。

ゲストハウス側としてはコミュニケーションを通じて相手がどういう性格の人で、どういう観光をしたかを知ることが出来ます。

例えば現地の人と関わることが好きな人だとわかれば、その人にオススメしたいレストランや場所を紹介することができます。写真を撮るのが趣味な人であれば、きっと足が必要になります。どこで自転車を借りることができるのか、バイクを借りることができるのかをゲストハウス側から先回りして教えることができます。

その人に合わせたパーソナルなサービスを提供することができるのです。

多様なサービスを提供するゲストハウスが増えています。

やれあそこはこんなことをしている。じゃあ、うちはこんなサービスを提供しよう。そしたら、あそこはこんなサービスを提供し始めた。エンドレスな泥沼です。

落ち着いて考えてみましょう。本当のサービスとはなんなのか。
それはお客さんに喜んでもらうことです。その人に合わせたパーソナルなサービスこそが最上のサービスなのです。

サステイナビリティ(持続可能性)について

環境に対して優しくすることで持続可能性を持った事業をしましょう。ということで用いられるサステイナビリティという言葉。はっきり言って、宿泊施設で言われるエコとかサステイナビリティとはほとんどの場合、経費削減で用いられる言葉です。

環境保護のため、タオルを交換時にだけ、床に置いてください。
環境保護のため、部屋にいないときは電気を止めてください。

完全に経費削減目的です。しかし、その考えもそろそろ改めるべき時代になってきました。

顧客目線で考えてみましょう。サステイナブルの施設に泊まるということはその人の生き方を表明する重要な行動の1つです。環境に優しい宿泊施設を選んで、そこに泊まるというのは意思表示なのです。それをないがしろにするようなゲストハウスは滅んでしかるべきなのです。

お為ごかしのようなエコやサステイナビリティというのは、一瞬で化けの皮を剥がされます。SNSや口コミで一瞬です。そして、本当にエコやサステイナビリティを重要に思っているゲストハウスこそ、応援者やファンが増え、生き残っていく。そういう時代になってきたのです。

ゲストハウス2.0とは?

結論としていえば、顧客によりそうゲストハウスです。徹底した顧客目線が重要になります。

そのための具体的な手法をあげます。

一貫したテーマ性を持つ・発信する

サステイナビリティの項目を再度ご覧いただきたいのですが、そのゲストハウスのテーマというのが今後重要になっていきます。

テーマをもつ。そして発信し続けることでファンを作ることができます。その結果として重要なのはミスマッチを防ぐことができる事です。

極端な例ですが、ベジタリアンなゲストハウスをすると想像してみましょう。その名もベジタリアンゲストハウスです。その名前からベジタリアンな人が多く集まる宿になるでしょう。それ以外の人は寄ってこないです。そこでベジタリアン以外が間違ってきてしまうと、その人の顧客満足度は低くなり、全体の口コミも悪化します。

そういうミスマッチを防ぐためには、ゲストハウスの名前だけでなく、行動や活動を発信し続ける必要があります。しかし、それを続けることで、ベジタリアンたちにとって、とても居心地がよく、素晴らしいゲストハウスになります。

パーソナルなサービスを提供する

引き続きベジタリアンの例で行きますが、ベジタリアンの中にも様々な人がいます。健康のために簡単なベジタリアンから卵も牛乳も一切ダメなヴィーガンという人たちもいます。

ベジタリアンにはベジタリアン向けの、ヴィーガンの人にはヴィーガン向けのサービスを提供しなくてはいけません。そのために重要なのはコミュニケーションしかありません。

問い合わせや予約の時点から、コミュニケーションを取らなくてはいけません。

これ結構難しいです。

OTAで予約した人にメール送りますが、返答率は非常に少ないです。視認率をあげるために画像を送るとか、特設ページに誘導するとか、いろんなアプローチが必要になると思います。

コミュニケーションを取らないと相手のことはわかりませんので、いろんなアプローチをトライするしかありませんね。

宿泊中のコミュニケーションも重要です。滞在中にどんなことをして過ごしているのか、どんなことに楽しみを感じるのか。それに対して、どんなサービスを提案すると喜ばれたのか。意外と刺さらなかったのか。

そういったデータを増やしていくことが、今後のお客さんによりパーソナルなサービスを提供するために役立ちます。

また、コミュニケーションを十全に取ることができるなら、チェックインの縛りもなくなります。早朝に到着すお客さんでも、タイミングさえ読めれば一刻も早くチェックインしてもらうことができますね。

一律にこの時間じゃないとチェックインダメというのは、もう時代遅れになっていくはずです。

利便性の徹底した向上

手間を掛けさせるというのは、とにかくマイナスポイントです。

具体例を挙げるとアリペイがなぜ中国人の間で広まったのか。手間が少ないからです。スマホでスキャンするだけで支払いが可能になるので、財布を持つ必要がなくなりました。

最近の車でも、カギを使って、ドアを開けるということは減りましたね。カギ式がリモコン式になり、今では持っているだけで自動でロックが解除されます。

それも1つ1つ手間を排除して、利便性をあげているのです。ゲストハウスに関していえば、いまだにカギ式のところもあれば、カード式で時代が止まっているところがほとんどです。そして、ホテル内の消費に対して、紙にサインさせるというのも時代遅れです。

オランダのゲストハウスでは、リストバンドが部屋の鍵になり、ゲストハウス内の支払いもそこにチャージすることができるのです。

オランダのアムステルダムにあるカプセルホテル「CityHub」

このシステムの開発元はスペインの会社なので、プーケットで購入できるかわかりませんが、ぜひ導入したいところ。

ちょっと話が横道にずれますが、照明のカラーをスマホで変更できるというのはとてもいいアプローチですね。

ただのゲストハウスのコミュニケーションツールだとアプリをダウンロードすることはなかなか難しいです。その点、照明を変えるためにダウンロードしてください。というのはダウンロードのハードルが低くなります。きっとゲストハウス内の決済状況なんかも確認できるようになっているはず。こういうアプローチは頭がいいなぁと思います。

まとめ

今回はゲストハウスが現在抱えている問題点を提示し、これから進んでいくべき方向について考えてみました。そのため、概念的な話が多くなってしまいました。

しかし、なんとなく現在の状況は変わっていかなくてはいけない理由、そしてその方向性などがおわかり頂けたのではないかと思います。

次回はより具体的な施策について考えてみたいと思います。

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